「先送り」は、何も解決しない
日曜日に、衆議院選挙が行われ、新しい議員が選出されました。政権与党の自民党と公明党の獲得議席は、議員定数の2/3を超え、安定多数となりました。今回の選挙の争点は、与党の説明によれば、消費税増税を先送りして「アベノミクス」を進めることへの信認について、国民に信を問うとのことでした。国民は、その与党に一定の信認を与えたこととなりました。
しかし、この消費税の先送りは、格付機関の日本国債の格付けを下げた結果を招いております。現在は、新規発行国債のほとんどは実質的には、日本銀行が引き受けており、市場は安定しておりますが、日銀の引き受けが未来永劫続くわけではなく、今後金利の引き上げとしてかえってくる可能性は否定できません。今年度の日本の財政は、歳入が54.6兆円に対して歳出は95.8兆円(財務省HP)のなっており、差額41兆円は国債等の発行に頼っております。更に、地方を含めた長期債務残高は、1000兆円を超えております。増税の先送りから何が生まれるのでしょうか。国の借金は、結局現在及び将来の国民が支払うことになるのです。誰も何もしてくれません。私達自身も、自分自身で財政再建への寄与を始めなければならない時期にあるのかも知れません。
翻って、私達の賃貸経営を考えた場合、少子高齢化による人口減少にも関わらず、相続税増税や空き家の増加等により、賃貸住宅の供給は増加の一途となっております。これに伴い空室も増加しており、収益リスクは更に高まっております。今後、賃貸不動産の格差は更に広がり、賃貸トラブルを抱えた物件は、その価値を更に下落させ不良資産となろうとしております。賃貸トラブルや収益悪化は、時の経過ともに固定化し、不動産そのものの価値を大きく損なわせます。トラブルの先送りから得られるものはなく、賃貸経営の上の足かせとなることが予想されますので、一刻も早い問題解決への着手が求められております。 以上