アメリカ デトロイト市の財政破綻
7月20日の新聞各紙によれば、米国ミシガン州デトロイト市が財政破綻し、米国連邦破産法第9章に基づく更生手続きを申請したとのことであります。その負債総額は、180億ドル(1兆8000億円)と巨額で、米国の地方自治体の破綻に伴う負債額としては、過去最高とのことであります。デトロイト市は、かつて、皆様もよくご存知の通り米国の自動車産業の中心地であり、現在でも、米国大手自動車メーカーのGM(ゼネラル・モタース)が本社を置く主要都市です。しかし、新聞各紙によれば、米国自動車産業の低迷により、1950年には185万人を数えた人口が、2012年には68万人と最盛期の36.7%となり、税収の落ち込みに伴う「治安の悪さ」や「行政サービスの低下」により、人口の流失が続く負の循環に陥り、市の運営費や年金の支払いが市の負債を増大させ今日にいたったとのことでございます。
この事実は、我が国自治体にも、一定の警鐘を与えたのではないでしょうか。日本においても、企業城下町は多く、その業績低迷により従業員の減少をまねいいる地方自治体も多くみられます。今後、日本でも、2025年には、総人口が660万人、2035年には、1520万人減少すると言われております。(国立社会保障・人口問題研究所)その時は、全市町村が均等に減少するわけではなく、各市町村によってその減少幅は異なっております。更に、治安や住民サービスが良く税負担等が少ない都市への人口流失が考えられ、地方自治体による住民争奪戦も考えられます。このことから、10年先、20年先を考えた地方自治体の戦略的な政策が求められているのではないでしょうか。
デトロイト市の財政破綻は、他の自治体が羨むほどの企業の集積を誇った同市が、自動車という一つの業種が中心だったために起こったものと考えられます。即ち、あまりにも大きな企業の集積(一時は、GM・フォード・クライスラーの工場が立地)があった故に、リスク分散を怠ったものと考えられます。
翻って、賃貸経営の視点から見た場合、不動産の潜在力を算定する場合、その要素の一つに、この様な企業の立地も考慮しなければなりません。しかし、企業は「生き物」であり、その栄枯盛衰が必ずあることも、また紛れもない事実です。
まして、人口減少が予想される我が国では、地方自治体の戦略的姿勢をも考慮した客観的視点に立った10年先、20年先をも見越した自分の不動産の潜在力を考慮した戦略(場合によっては、不動産の組換えや他の金融資産への組換えを含む)の必要性を今回のデトロイト市の財政破綻は教えてくれているのではないでしょうか。








