賃料滞納の基本的スタンス Ⅲ (滞納発生時の対応)
先週は、賃貸借契約時の賃借人の賃貸人への信頼の獲得について考えてみましたが、今回は、不幸にして賃料滞納が発生した場合について考えてみます。
およそ人生の中では、様々な出来事に遭遇し、金銭的に困ることは、誰にでも一度や二度あるのではないでしょうか。その意味から、この対応についての貸主の対応の根幹は、「謙虚で丁寧であるが、厳格な事務対応」が要求されると、私は考えます。借主は、様々な要因により滞納を発生させますが、軽微の入金忘れを除いて、滞納発生は、「借主の生活のリズム」に変調をきたしたとお考えください。そうすると、貸主としては、借主が、なるべく早く基の「生活のリズム」に戻って頂かなければなりません。
そのためには、貸主は一方で厳格な事務対応を求めなければなりません。振込の場合でも、賃料支払約定日の2営業日後には、その状況を確認できるのですから、支払われなかったら、即借主に対して電話等で賃料の送金を促すべきです。その時、貸主は、その連絡先の相手方、督促日時を記録(できれば個別カード)し、その状況把握に努め、必ず送金日の約束を取らなければなりません。よく、来月一緒に支払いますという方が御座いますが、私の扱った過去の例から言っても、それでは、借主の「生活のリズム」の復活にはなりません。一日でも早い送金が借主の「生活のリズム」の復活につながります。
ちょっと厳しすぎるとお思いの方もあるかもしれませんが、これは、最終的には借主のためであることを心にしっかりと留め置いて下さい。但し、だからと言って、貸主は借主に対して、高圧的な態度をとってはなりません。この時の対応次第で、今後の借主との信頼関係のどうなるかの重要な分岐点にいるものとお考えください。一回の督促が、その後の借主との信頼関係の破壊につながった例は、よく見られます。人間は、感情の動物です。こちらが謙虚に礼儀正しく申し出れば、先方は丁寧に返してくれるものです。
同時に、この時貸主は、念のため、その借主に関する賃貸借契約書等の関係書類のチェックを行い、権利義務関係等の履行状況を必ず確認してください。その後の交渉に必ず役に立ちます。
次回は、長期滞納者の取扱いについて考えてみたいと思います。








