賃貸トラブル対処法Ⅰ・・・構造的発生原因
先週まで、賃料滞納の具体的な対処方法について考えてまいりましたが、今週は賃料滞納を含めて、賃貸トラブルの発生について考えてみます。
およそ不動産の賃貸契約については、賃貸トラブルはつきものと考えるべきではないでしょうか。それは、次の2点の構造的なもののためだと私は考えます。
第1点は、法的な問題の「法定更新」と「正当事由」の存在です。現行借地借家法や旧借地法・旧借家法において、賃貸借契約の期限到来時に貸主と借主の合意が出来なければ、同一条件で更新となります。この場合、借地については、建物が存続し、借主側が望めば貸主側(地主側)は、更新拒絶のための「正当事由」が要求され、実質的には従前と同一の条件で、旧法では20年の更新が認められます。
同様に、借家でも、普通賃貸借では、更新時に貸主側(大家側)は、更新拒絶の場合には、「正当事由」が求められ、実質的には従前の契約条件で期間は、期限の定めのない契約となります。(法定更新)
即ち、借主側は、賃料さえ支払っていれば、契約は継続することになりますし、その期限はないに等しい状況になります。
第2点は、他の契約と同じように、契約当事者は「人間」であることです。人間の行動は、その方によりますが、その大部分が感情により行われていると言われております。現実に、私たちが扱う数多くの案件でも、賃貸トラブルの原因は、本質的な賃料滞納や入居規則違反ではなく、長年の対立から発生する感情トラブルになって現れます。即ち、事の当初の原因からかけ離れた感情対立と発展していきます。
一方で、賃貸契約の期限は「法定更新」により延ばされ、また一方で、「感情の対立」が発生することで、賃貸トラブル解決には、長期の時間が必要となります。
まず、この基本的構造を理解しなければ、賃貸トラブルの解決は望めないのではないでしょうか。
次回は、その具体的解消法について、考えてみたいと思います。








