原状回復トラブルの回避

 賃貸トラブルで従来から最も多いのが、入退室時の原状回復義務のトラブルと言われております。今週は、トラブル回避の指針となる現況の原状回復ガイドラインの考え方について、触れてみたいと思います。
 このガイドラインは、平成10年に国土交通省により発表され、その後、平成16年と平成23年に改定が行われております。勿論、建物賃貸借契約は、契約自由の原則により、貸主・借主の合意に基づいて行われ、その退室時の賃借人負担について特段の定めを課すことは、理論上は可能と考えられます。しかしながら、平成23年8月の再改定版のガイドラインにおいては、詳細な指摘がされており、これを無視することは、事実上不可能と考えられます。
 その基本的な考え方は、建物の損耗について、1)経年変化分損耗と2)通常損耗及び3)善管義務違反による損耗に分類し、1)及び2)については、貸主負担として、3)のみが借主負担とする考え方です。即ち、借主の負担は、借主の故意又は過失による建物の損耗・毀損に限定して原状回復させようとするもので、極めて限定的なものと考えられます。更に、その具体的な室内の箇所における修復範囲まで限定しており、貸主にとっては、極めて厳しいものとなっております。(詳細は、国土交通省ホームページ参照願います)
 更に、入居時の賃貸借契約による原状回復義務に関わる特約の設定においても、1)客観性・合理性、2)借主の通常を超える損耗負担の認識と3)借主の積極的な負担意志の表明を求めており(最高裁判例)かなり否定的な内容となっております。
 貸主としては、入退去時のチェックリスト(含む写真)の活用により、より客観性を持たせることで、善管義務違反による損耗の原状回復費用の交渉に特化した対応が求められます。即ち、前記以外の損耗は、貸主のコストとして処理することが求められますので、注意が必要です。従来の原状回復費用の負担割合についての借主との交渉は、結局徒労に終わる可能性が高いので、この再改定後のガイドラインを熟読されることをお勧め致します。但し、契約違反によるペットの持ち込み等による損耗等については、当然に、借主に原状回復費用の請求することは、何ら問題ないものと思量致します。

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