不動産格差社会の到来
先週は、少子高齢化が、今後の日本にどの様に進むかについて、国立社会保障・人口問題研究所のデータを基づいて考えてまいりましたが、今週は、この少子高齢化が不動産にどの様な影響を及ぼすかについて、実際のデータを踏まえて考えてみたいと思います。
不動産と一口にいっても多種多様な不動産の分類がございますが、ここでは、東京23区・横浜の賃貸住宅用不動産(土地)に限って考えていきます。およそ、不動産に限らず現在の自由経済市場においては、その価格は、需要と供給によって決められるのが一般と考えられます。戦後一貫して増加してきた日本の人口は、2010年を境に減少に転じ、今後も減少が続くことは、この需要と供給に一大変革をもたらすものと考えら得ます。2020年までに約310万人、2030年までに更に、約1000万人の人口減少は、不動産の需要の減少を意味し、全体としては、供給過剰になることが予想され、不動産選別の時代に突入したものと思料いたします。
昨年9月に発表された基準地価には、既にこの人口問題が色濃く反映されております。将来人口の人口減少度合いが緩やかな地域では、地価は大きく上昇に転じているのに対して、減少度合いの厳しい地域では、地下状況は横ばい若しくは若干の上昇になっております。例えば横浜市の場合でも、南部の戸塚区、栄区、旭区、磯子区等では、その上昇率は、1%以下ですが、北部の鶴見区、港北区、都筑区等は、1.5%を超える上昇となっております。即ち、一つの都市のなかでも、既に格差が広がっているのがわかります。
更に、当社の至近の賃貸住宅の空室調査によれば、6月の上旬の東京のターミナル駅であるA駅を中心とした、ワンルームMの空室は全部で約700戸あり、駅からの距離により大きく次の通り分類されます。徒歩5分以内の空室は、全体の13.1%であるのに対して、徒歩10分超の空室は、57.4%となっております。即ち、全体の約60%近い空室は、駅からの距離が徒歩10分超の物件に集中しております。これは、概ね、他の都内及び横浜市の駅に共通しており、駅徒歩10分超の物件の空室に占める割合は、概ね高くとなっております。
一つの都市、一つの駅をとっても、不動産の格差は確実に進んでおり、今後の少子高齢化を踏まえれば、更なる格差となって現れていくものと考えられます。今後の賃貸不動産は、地域性及び個別性が厳しく問われることになりますので、所有不動産については、常に周辺の動向に注意しながら、場合によっては、資産の置き換えも視野に入れる必要があるものと思料いたします。 以上








