資産のある高齢者の介護補助の減額と不動産の格差社会
日本経済新聞社説(11月5日)によれば、一定額以上の預貯金のある高齢者に加えて、一定額以上の不動産を持つ高齢者に対して、特養などの負担金を見直す動きがでているとのことです。確かに、現在の日本の財政状況(今年度予算に占める歳入割合が約46%で、残額は国債等の借入)や福祉関係予算の自然増が毎年1兆円近い現状から、やむを得ない動きであることは多くの国民の共感を得られるものと思われます。
但し、この社説でも述べられている様に、その資産の評価は極めて細かい対応が必要であると私も考えます。即ち、どの評価でその不動産の価値を見出すか、また、一定額を幾らにするかという問題です。預貯金等の金融資産を「貨幣価値」という基準を全国一律に採用しても、それほど大きな問題だとは思いいません。
しかし、こと不動産も同様に対処することは、弊害が多いと考えられます。皆様もご存知の通り不動産(土地等)の価格は、一物四価とも一物五価とも言われております。即ち、固定資産税評価額に始まり、相続税路線価、公示価格、基準地価格、時価額等で御座います。そこで問題になるのは、どの評価をとっても「0」ではないことです。更に、その価格も地域によって異なる性格があることです。(大都市部の不動産と地方都市の不動産の違い等)
過去において、私が取り扱った例でも、実際の固定資産税評価額での売却が困難な不動産、更に、売却しようにも買主が見つからない不動産も多々見受けられました。相続税の物納の様に、あらかじめ一定の基準で決めた不動産価格で、その不動産を国若しくは地方自治体が引き取るならわかりますが、地域によって、実際の換価処分額と評価額が大きく異なる不動産を一律に扱うことは、大きなリスクと不公平感を助長することになると思われます。
折からの少子高齢化と生産人口の減少により、従来の大都市と地方都市との不動産格差だけではなく、大都市の中での不動産の格差が顕在化している昨今の現況からは、慎重なきめの細かい対応がのぞまれのではないでしょうか。








