横浜市の待機児童「0」、達成原因と今後の課題
先週に引き続き、今週も待機児童問題を取り上げます。横浜市は、2010年4月1日現在の待機児童数が1552名と、全国ワーストワンを記録しました。そこで、横浜市の林市長は、待機児童「0」を目指すプロジェクトを始めたと言われております。当時は、保育所希望者に供給が間に合わず、不名誉な称号を得たわけです。しかし、わずか3年の間で何故、待機児童を「0」にできたのでしょうか。私は、外部から見ていた人間として、次の2点がその原因ではないかと考えます。
第一点は、横浜保育室に見られる様な、将来を見据えた柔軟な考え方だと思われます。現在のような少子高齢化で財政難の時代では、従来のような箱物経営は成り立ちません。そこで、横浜市は、民間の力を借りるなどの様々な工夫を行い、将来の負担をできるだけ少なくして保育数の増加に対応した努力を行ったのではないでしょうか。将来の充足ではなく、現在の需要に迅速に対応すべく創意工夫をこらしたのです。
第二点は、目的意識を持った女性や若手の職員を中心とした柔軟な全職員一丸となった組織運営ではないでしょうか。2010年当時、全国ワーストワンになったのですから、市長として放置できないのは当たり前です。そこで、市長をプロジェクトリーダーとして、各部署横断的な人材の拠出を行い、人・物・金をこのプロジェクトに集中投下したのではないでしょうか。そして、民間企業の経営者であった林市長は、あたかもPDCAのサイクルを回すべく、結果を求めて民間並みの組織運営がなされたものと考えます。本件では、良く知られていると思われますが、全18区に対して担当係長(20代から30代前半の女性中心)が派遣され、その過程と結果を追求したことです。私も当時、何人かの担当係長にお会いしましたが、その目標達成意欲は強く、あたかも民間企業と間違うほどでした。
しかし横浜市の抱える問題は、待機児童問題だけではございません。その最大なものは経済力の弱さと考えます。東京都23区の企業数は、217千社に対して、横浜市の企業数は35千社(平成18年政府調査)に留まり経済力の差は歴然です。将来のバランスのとれた都市を目指すなら、経済力の更なる充実が必要ではないでしょうか。また、住みよい利便性の高い交通アクセスの充実は、ビジネスや将来の高齢化社会で特に重要であり、LRT等の検討により、住みよい便利な都市への変貌が望まれるのではないでしょうか。
また、そこに暮らす私たち一人ひとりも、自分がこの都市の発展に何ができるかを自問自答しながら、行政と共に手を携えて、魅力ある都市づくりに少しでも貢献することが、求められているのではないでしょうか。








