空家と借地借家法 不動産の流動化を目指して
日本の人口の少子高齢化の進展とともに、空き家が問題となってまいりました。日本の人口は、平成20年4月をピークに減少に転じており、本年2月1日現在(総理府統計局概算値)には、ピーク時904千人減少の127,180千人を記録しております。これに伴い、いわゆる生産人口(15歳~64歳)も3,720千人減少し、78,560千人を記録しております。
人口の減少は、住宅の需給関係に大きく影響し、それが端的に現れますのが、空き家の増加です。現在、確認できる空家の総数は、全国で、約7,568千戸(平成20年 総務省 住宅土地統計調査)といわれております。この調査では、東京23区の空家の総数は、614千戸(住宅全体の13.0%)、横浜市の空家の総数は、160千戸(住宅全体の10%)と言われております。
過去における国民の財産である、住宅ストックの未利用は、国民的損失につながるのではないでしょうか。多くの子育て世代が、狭い住宅で我慢を強いられているのにも関わらず、空き家が増加傾向ににある現実を見た場合、やりきれない現実となって、私達に迫っております。本来なら、これら子育て世代に比較的広い住宅を賃貸することによって、のびのびとした住宅環境を提供し、子育ての精神的負担軽減を促進できれば、少子高齢化対策としても有効な手段ではないでしょうか。
しかしながら、現在の借地借家法においては、普通賃貸借契約の場合、一度、賃貸した場合、賃借人が自発的に転居しない限り、その無償返還は難しく、後のトラブルを考えた場合、貸さない方がましという結論もかなり説得力が御座います。この借地借家法をなんとかしなければ、不動産の流動化も望めません。当然、借りる自由もあるのですが、貸さない自由もあるのです。このことは、単身高齢者にも言え、現実に、身寄りのない単身高齢者が賃貸住宅に困っているのも現実です。
一方で、契約自由の原則に反してまで、賃貸人の権利を法律的に規制しながら、他方では、空き家の総数が伸びている現実を嘆いてみても、問題の解決にはなりません。日本の将来を考えた場合、まず経済特区等で一定の目的の上、賃貸人と賃借人が同意した場合、現行の借地借家法の適用を除外する賃貸借契約の締結を認めることから始め、不動産の流動化を高めて、国民的資産の有効利用を促進していくことが、今、最も求められているのではないでしょうか。








